六味丸 (ロクミガン)
概要
六味丸は、別名を**六味地黄丸(ロクミジオウガン)**とも呼ばれ、漢方でいう「腎(じん)」の働きを補う「補腎薬(ほじんやく)」の最も基本となる処方です。「腎」は生命エネルギーの貯蔵庫とされ、加齢とともにその力は衰えていきます。
六味丸は特に、体を潤しクールダウンさせる力(腎陰)が不足した「腎陰虚(じんいんきょ)」という状態を改善します。体の潤いが不足し、相対的に熱がこもった状態(ほてり、のどの渇きなど)や、加齢に伴う様々な不調に用いられます。
こんな人におすすめ
- 体力がなく、疲れやすい方
- 腰や足がだるい、痛みがある方
- 夜中に何度もトイレに起きるなど、頻尿に悩んでいる方
- 残尿感、排尿困難がある方
- 口が渇きやすい方
- 手足は冷えるのに、顔や手のひらがほてる感じがする方
- 小児の発育不全、夜尿症
効果・効能
六味丸は、体の根本的な潤いを補い、余分な熱や水分を排出することでバランスを整えます。これにより、以下のような症状を改善します。
- 疲れやすくて、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の諸症:
- 排尿困難
- 残尿感
- 頻尿
- むくみ
- かゆみ
- 夜尿症
- しびれ
- 腰痛
構成生薬
六味丸は、体を潤し補う「三補」と、余分なものを取り除く「三瀉」という役割を持つ、合計6種類の生薬で構成されています。この絶妙なバランスにより、長期服用が可能となっています。
【三補(補う生薬)】
- 地黄 (ジオウ): 「腎」を補い、血や潤いを生み出す主薬。
- 山茱萸 (サンシュユ): 滋養強壮作用があり、「腎」の消耗を防ぐ。
- 山薬 (サンヤク): 胃腸の働きを助け、滋養強壮作用がある。
【三瀉(取り除く生薬)】 4. 沢瀉 (タクシャ): 利尿作用により、体内の余分な水分を排出する。 5. 茯苓 (ブクリョウ): 沢瀉と共に利尿作用を助け、胃腸の働きも整える。 6. 牡丹皮 (ボタンピ): 体内の余分な熱を冷まし、血の巡りを整える。
服用方法と注意点
通常、成人は1日量を2〜3回に分けて、食前または食間に水またはぬるま湯で服用します。年齢、体重、症状により適宜増減します。
副作用
まれに以下の副作用が報告されています。
- 食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢
- 発疹、発赤、かゆみ
胃腸が弱い方は、地黄の影響で胃もたれなどを起こすことがあるため、注意が必要です。
出典
『小児薬証直訣』 宋代の小児科医、銭乙(せんいつ)によって著された医学書。
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