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五積散(ごしゃくさん)

効能・効果

体力中等度又はやや虚弱で、冷えがあるものの次の諸症: 胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒

五積散の解説

五積散は、「気・血・痰・寒・食」の五つの邪気が体に「積」もり、滞ってしまった状態を改善する漢方薬です。処方名はこの「五積」に由来しています。

特に、体の冷えが根本にある、慢性的な痛みや不調に優れた効果を発揮します。「万能の痛み止め」とも称されるほど応用範囲が広く、様々な症状に用いられます。

  • 痛み: 冷えや湿気が原因で悪化する腰痛、神経痛、関節痛、頭痛、月経痛など。
  • 胃腸症状: 夏場の冷房や冷たいものの飲食による胃腸炎、下痢、食欲不振。
  • 婦人科系: 冷えによる月経不順、月経痛、更年期障害。
  • 感冒: ゾクゾクと寒気がするのに汗はあまり出ず、頭痛や体の節々の痛み、胃腸症状を伴う、いわゆる「陰性の風邪」。

五積散は、体を内側から温め、気血の巡りを良くし、余分な水分(湿邪)を取り除き、消化機能を整えるなど、複合的な作用を持ちます。これにより、冷えを原因とする様々な慢性症状を、根本から改善していきます。

症状が激しくないものの、なんとなくすっきりしない不調が続いているような、体力中等度かやや虚弱な方に適しています。

含まれる生薬

五積散は、16種類もの多数の生薬で構成される複雑な処方です。その構成は、いくつかの基本的な漢方薬を組み合わせた形になっています。

  • 体を温め、発散させるグループ(麻黄湯類):
    • 麻黄、桂皮、白芷:体表の寒邪を発散させる。
  • 胃腸を温め、消化を助けるグループ(平胃散類):
    • 蒼朮、厚朴、陳皮、生姜:胃腸を温め、余分な水分を取り除く。
  • 気の巡りを良くし、痰を除くグループ(二陳湯類):
    • 半夏、茯苓:吐き気を鎮め、気の巡りを良くする。
  • 血を補い、巡りを良くするグループ(四物湯類):
    • 当帰、川芎、芍薬:血を補い、血行を促進して痛みを和らげる。
  • その他の生薬:
    • 枳実、桔梗:気の巡りを良くする。
    • 甘草:諸薬を調和させ、痛みを和らげる。

これらのグループが総合的に働くことで、「五積」の状態を解消し、幅広い症状に対応することができます。