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麦味地黄丸(ばくみじおうがん)

**麦味地黄丸(ばくみじおうがん)**は、漢方医学で「補腎薬(ほじんやく)」と呼ばれるグループに属する漢方薬です。「腎」は、生命エネルギーや成長・発育を司る重要な臓器と考えられており、麦味地黄丸は加齢などによって衰えた「腎」の働きを補い、特に肺の潤い不足を改善する処方です。

別名「八仙長寿丸(はっせんちょうじゅがん)」とも呼ばれ、古くから不老長寿の薬として珍重されてきました。

どのような人に使われるか?

体力があまりなく(中等度以下)、疲れやすく、胃腸に問題がない人で、咳や口の渇きがある場合に用いられます。

効能・効果

  • 空咳、息切れ: 慢性的で痰の少ない咳や、少し動いただけでの息切れを改善します。
  • 排尿に関する悩み: 排尿困難、頻尿、むくみなど、加齢に伴う泌尿器系の症状に効果があります。
  • 足腰の症状: 下肢痛、腰痛、しびれなど、足腰の衰えからくる症状を和らげます。
  • その他の症状: 高齢者のかすみ目、皮膚のかゆみなど、体の潤い不足からくる様々な症状にも応用されます。

構成生薬

麦味地黄丸は、「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」という基本的な補腎薬に、肺を潤し咳を鎮める2つの生薬を加えた処方です。

  • 地黄(ジオウ): 「腎」を補い、体を潤す中心的な生薬。
  • 山茱萸(サンシュユ): 滋養強壮作用があり、頻尿などを改善します。
  • 山薬(サンヤク): 滋養強壮作用があり、消化器系の働きも助けます。
  • 沢瀉(タクシャ): 体内の余分な水分を排出します。
  • 茯苓(ブクリョウ): 体内の余分な水分を排出し、精神を安定させます。
  • 牡丹皮(ボタンピ): 血行を改善し、炎症を鎮めます。
  • 麦門冬(バクモンドウ): 肺を潤し、咳を鎮め、口の渇きを癒します。
  • 五味子(ゴミシ): 咳を鎮め、消耗したエネルギーを補います。

服用にあたっての注意点

  • 胃腸が弱く、下痢をしやすい人は、食欲不振や胃部不快感などの消化器症状が現れることがあります。
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある人は、服用前に医師や薬剤師に相談してください。

気になる症状がある場合は、自己判断で服用せず、専門家にご相談ください。