滋腎明目湯(じじんめいもくとう)
効能・効果
体力虚弱なものの次の諸症: 目のかすみ、目の疲れ、目の痛み
滋腎明目湯の解説
滋腎明目湯は、その名の通り「腎を滋(うるお)し、目を明らかにする」漢方薬です。特に、加齢や過労によって起こる眼精疲労や視力低下といった、目の老化現象に用いられます。
漢方では、目と「肝」「腎」は非常に深い関係にあると考えられています。
- 肝: 「肝は目に開竅(かいきょう)する」と言われ、肝に蓄えられた「血(けつ)」が目に栄養を与えています。
- 腎: 「腎」は生命エネルギーの根源であり、「肝」の働きを支える母親のような存在です(肝腎同源)。また、眼球そのものも「腎」と関係が深いとされます。
加齢や過労で「腎」の機能が衰える(腎虚)と、その影響で「肝」の血も不足(肝血虚)し、目に十分な栄養が行き渡らなくなります。これが、かすみ目、疲れ目、視力低下、ドライアイといった症状の原因となります。
滋腎明目湯は、「腎」を補い、「肝」の血を養うことで、目の栄養不足を根本から改善します。さらに、目の炎症を鎮める生薬も配合されており、目の痛みや充血にも対応します。
体力があまりなく、疲れやすい方の、老化に伴う目のトラブル全般に応用される処方です。白内障の初期症状にも用いられることがあります。
含まれる生薬
滋腎明目湯は、血を補う「四物湯」をベースに、腎を補う生薬や目の熱を冷ます生薬など、15種類もの生薬で構成されています。
- 【血を補うグループ(四物湯)】
- 当帰(トウキ)、川芎(センキュウ)、芍薬(シャクヤク)、地黄(ジオウ):血を補い、血行を促進します。
- 【気を補うグループ】
- 人参(ニンジン)、甘草(カンゾウ):胃腸の働きを助け、エネルギーを補います。
- 【目の熱や炎症を冷ますグループ】
- 菊花(キクカ)、蔓荊子(マンケイシ)、黄連(オウレン)、山梔子(サンシシ)、白芷(ビャクシ):目の充血や痛み、熱感を鎮めます。
- 【腎を補い、潤すグループ】
- 乾地黄(カンジオウ):体を潤し、熱を冷ます作用があります。
- 【その他】
- 桔梗(キキョウ):薬の効果を上半身、特に目に届けやすくします。
- 灯心草(トウシンソウ):利水作用でむくみを取り、熱を冷まします。
- 細茶(サイチャ):茶葉のこと。頭部をスッキリさせます。