桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
効能・効果
体力中等度以下で、疲れやすく、神経過敏で、興奮しやすいものの次の諸症: 神経質、不眠症、小児夜泣き、夜尿症(おねしょ)、眼精疲労、神経症
桂枝加竜骨牡蛎湯の解説
桂枝加竜骨牡蛎湯は、心と体のバランスを整える漢方処方の基本である**「桂枝湯(けいしとう)」に、精神を安定させる作用のある「竜骨(りゅうこつ)」と「牡蛎(ぼれい)」**を加えた漢方薬です。
この処方は、体力がなく虚弱で、デリケートな体質の方の、精神的な不安定さに伴う様々な不調に用いられます。漢方では、ストレスや過労で「気」「血(けつ)」が消耗すると、エネルギーが上半身に突き上げる「気逆(きぎゃく)」という状態になり、のぼせ、動悸、不安感、興奮といった症状が現れると考えます。
桂枝加竜骨牡蛎湯は、桂枝湯が持つ「気」「血」のバランスを調和させる作用に加え、竜骨と牡蛎の鎮静作用によって、この気の上昇(気逆)を鎮め、高ぶった神経を穏やかに落ち着かせます。
**「疲れやすいのに神経は高ぶって眠れない」「ささいな事が気になって不安になる」**といった、心身のアンバランス状態に特に効果的です。
- 精神症状: 神経過敏、不安感、イライラ、興奮しやすい、驚きやすい。
- 睡眠障害: 寝つきが悪い、眠りが浅い、怖い夢を見る、寝汗をかく。
- 小児の症状: 夜泣き、おねしょ(夜尿症)、疳の虫(かんのむし)。
- その他の症状: 動悸、眼精疲労、勃起不全(ED)。
お腹を触診した際に、臍(へそ)のあたりで腹部大動脈の拍動が強く触れる(臍傍動悸)のも、この処方を用いる重要な目安となります。
含まれる生薬
桂枝湯の5種類の生薬に、2種類の安神薬を加えた、計7種類で構成されています。
- 【桂枝湯の構成生薬】
- 桂皮(ケイヒ)・芍薬(シャクヤク): 気血のバランスを調和させます。
- 生姜(ショウキョウ)・大棗(タイソウ): 胃腸を保護し、気を補います。
- 甘草(カンゾウ): 諸薬を調和させ、急な緊張を和らげます。
- 【加えられた生薬(加味)】
- 竜骨(リュウコツ): 古代の大型哺乳動物の化石化した骨。精神を安定させ、興奮や動悸を鎮める安神薬です。
- 牡蛎(ボレイ): カキの貝殻。竜骨と共に精神安定作用を発揮します。寝汗を止める効果もあります。