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加味帰脾湯(かみきひとう)

効能・効果

虚弱体質で血色のわるい人の次の諸症: 貧血、不眠症、精神不安、神経症

加味帰脾湯の解説

加味帰脾湯は、心と体の両面の疲れに働きかける漢方薬です。特に、考えすぎや悩みすぎ、過労などによる**「心脾両虚(しんぴりょうきょ)」**の状態を改善します。

漢方でいう「脾(ひ)」は消化吸収機能、「心(しん)」は精神活動や血液循環を司ります。これらが共に弱ると、「気(エネルギー)」と「血(栄養)」の両方が不足する「気血両虚(きけつりょうきょ)」に陥り、以下のような様々な心身の不調が現れます。

  • 精神症状: 不安感、くよくよ考え込む、ささいなことが気になる、物忘れしやすい、集中力がない。
  • 睡眠障害: 寝つきが悪い、眠りが浅い、夢をよく見る、夜中に目が覚める。
  • 身体症状: 顔色が悪く貧血気味、食欲不振、体が重だるい、微熱や寝汗、動悸。

加味帰脾湯は、胃腸の働きを高めて「気」と「血」を生み出す力を補い(補気健脾)、不足した「血」を養い(養血)、さらに精神を安定させる(安神)作用を併せ持ちます。これにより、心と体の両方に栄養を与え、バランスの乱れを整えます。

体力があまりなく、繊細でストレスを感じやすい方の、精神的な疲労からくる不眠や貧血、神経症などに幅広く用いられます。

含まれる生薬

加味帰脾湯は、「帰脾湯(きひとう)」という処方に2つの生薬を加えた(加味した)もので、計14種類の生薬で構成されています。

  • 【気を補い、胃腸を整えるグループ】
    • 人参(ニンジン)、黄耆(オウギ)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)
  • 【血を補い、精神を安定させるグループ】
    • 当帰(トウキ)、竜眼肉(リュウガンニク):血を補います。
    • 酸棗仁(サンソウニン)、遠志(オンジ):精神を安定させ、不眠を改善します。
  • 【気の巡りを良くする】
    • 木香(モッコウ):気の巡りを良くし、気分の落ち込みを和らげます。
  • 【加えられた生薬(加味)】
    • 柴胡(サイコ)・山梔子(サンシシ): 体の余分な熱を冷まし、イライラやのぼせ、焦燥感を鎮めます。

帰脾湯との違い

  • 帰脾湯: 「気血両虚」に対する基本的な処方。貧血や倦怠感が主症状の場合に。
  • 加味帰脾湯: 帰脾湯の症状に加えて、イライラやのぼせ、焦燥感といった熱症状がみられる場合に用います。