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杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)

効能・効果

体力中等度以下で、疲れやすく胃腸障害がなく、尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてりや口渇があるものの次の諸症: かすみ目、つかれ目、のぼせ、頭重、めまい、排尿困難、頻尿、むくみ、視力減退

杞菊地黄丸の解説

杞菊地黄丸は、加齢に伴う様々な不調を改善する「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」をベースに、特に**「目」の症状**に特化させた漢方薬です。

漢方では、加齢などにより生命エネルギーの源である「腎(じん)」と、血を蓄え目に栄養を送る「肝(かん)」の機能が共に衰える(肝腎陰虚:かんじんいんきょ)と、目のかすみや疲れ、視力低下といった老化現象が現れると考えます。

杞菊地黄丸は、ベースの六味地黄丸が持つ「腎」を補う働きに加え、目に良いとされる**枸杞子(くこし)菊花(きくか)**を配合しています。これにより、「肝」と「腎」の両方に栄養を与え、目の潤い不足や栄養不足を改善し、目のトラブルを和らげます。

以下のような、加齢に伴う目の不調に悩む方に適しています。

  • かすみ目、疲れ目(眼精疲労)
  • 視力減退
  • ドライアイ、目の痛み
  • まぶしく感じる、涙が出やすい

また、六味地黄丸がベースになっているため、排尿困難や頻尿、むくみ、めまい、ほてりといった、「腎」の衰えによる症状を伴う場合にも効果的です。白内障や緑内障の初期、加齢黄斑変性などの眼科疾患の補助療法として用いられることもあります。

含まれる生薬

六味地黄丸の6種類の生薬に、2種類の生薬を加えた、計8種類で構成されています。

  • 【六味地黄丸の構成生薬】
    • 地黄(ジオウ): 「腎」を補い、体を潤す中心的な生薬。
    • 山茱萸(サンシュユ): 滋養強壮作用があり、肝腎を補います。
    • 山薬(サンヤク): 滋養強壮作用があり、エネルギーを補います。
    • 沢瀉(タクシャ): 体内の余分な水分を排出します。
    • 茯苓(ブクリョウ): 沢瀉と共に利水作用を発揮します。
    • 牡丹皮(ボタンピ): 血行を改善し、不要な熱を冷まします。
  • 【加えられた生薬(加味)】
    • 枸杞子(クコシ): 「ゴジベリー」として知られる。肝腎を滋養し、目に栄養を与えます(明目)。
    • 菊花(キクカ): 目の炎症や充血を鎮め、熱を冷ます働きがあります(清肝明目)。

関連処方との違い

  • 六味地黄丸: 「腎陰虚」に対する基本処方。加齢による全般的な症状(排尿異常、ほてり等)に。
  • 八味地黄丸: 六味地黄丸に体を温める生薬を加えたもの。冷えが強い方の「腎陽虚」に。
  • 杞菊地黄丸: 六味地黄丸に目のための生薬を加えたもの。加齢症状の中でも、特に目のかすみや疲れが気になる場合に用います。