メインコンテンツまでスキップ

猪苓湯(ちょれいとう)

効能・効果

体力に関わらず使用でき、排尿異常があり、ときに口が渇くものの次の諸症: 排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみ

猪苓湯の解説

猪苓湯は、泌尿器系のトラブルに広く用いられる漢方薬です。特に、膀胱炎や尿道炎などで起こる排尿時の痛み、残尿感、頻尿といった不快な症状を和らげます。

この漢方薬の大きな特徴は、「利水(りすい)」作用と「清熱(せいねつ)」作用を併せ持つ点です。利水作用によって体内の余分な水分を尿として排出し、尿量を増やすことで菌を洗い流しやすくします。同時に、清熱作用によって泌尿器系の炎症や熱感を鎮めます。

さらに、「滋陰(じいん)」作用のある生薬も配合されており、体を潤す働きも持っています。そのため、利水作用だけを持つ他の漢方薬と異なり、体内の必要な潤いを奪いすぎることなく、穏やかに作用します。このため、体力に関わらず、また症状が慢性化している場合にも使いやすい処方です。

血尿が見られる場合にも用いられることがあります。

含まれる生薬

猪苓湯には、以下の5種類の生薬が含まれています。

  • 猪苓(チョレイ): 主薬。強い利尿作用を持ちます。
  • 茯苓(ブクリョウ): 猪苓と共に利尿作用を発揮し、胃腸の働きを助けます。
  • 沢瀉(タクシャ): 利尿作用があり、めまいなどにも用いられます。
  • 滑石(カッセキ): 尿の出をスムーズにし、膀胱や尿道の熱を冷ます作用があります。
  • 阿膠(アキョウ): ロバの皮から作られるコラーゲン。滋養強壮作用と止血作用があり、体を潤すことで利尿による乾燥を防ぎます。

これらの生薬が協力し合うことで、炎症を抑えながら尿の排出を促し、泌尿器系の不快な症状を改善します。

類似処方との違い

  • 五苓散(ごれいさん): 同じく代表的な利水剤ですが、五苓散は体を温める作用があり、冷えによるむくみや下痢、めまいなどに用いられます。一方、猪苓湯は熱を冷ます作用があり、膀胱炎のような炎症性の症状に適しています。