荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
効能・効果
体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの次の諸症: 蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび
荊芥連翹湯の解説
荊芥連翹湯は、アレルギー体質や、炎症を起こしやすい体質(漢方でいう「解毒証体質」)を改善するために用いられる漢方薬です。特に、鼻・のど・皮膚といった、体の「バリア機能」を担う部分に、慢性的な炎症が起こりやすい方に適しています。
この処方は、体内の余分な「熱」を冷まし(清熱)、炎症を鎮め、血行を促進して栄養を補い(活血・補血)、体表の邪気を発散させる(解表)といった、複合的な作用を持ちます。これにより、単に症状を抑えるだけでなく、炎症を繰り返す根本的な体質に働きかけます。
以下のような、慢性化・習慣化した症状に悩む方に広く用いられます。
- 鼻の症状: 蓄膿症(副鼻腔炎)、アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎など、黄色く粘り気のある鼻水や鼻づまり。
- のどの症状: 慢性扁桃炎、扁桃肥大など、のどの痛みや腫れを繰り返す。
- 皮膚の症状: 思春期以降の、炎症が強く治りにくいニキビ。その他、アトピー性皮膚炎や湿疹。
皮膚の色が浅黒く、乾燥気味で、手足の裏にじっとりとした汗をかきやすい、腹部の筋肉が緊張しているといった体質的な特徴も、この処方を選ぶ際の目安となります。
含まれる生薬
荊芥連翹湯は、17種類もの多数の生薬で構成される複雑な処方です。その構成は、2つの基本的な漢方薬「温清飲(うんせいいん)」(=「四物湯」+「黄連解毒湯」)をベースに、多くの生薬が加えられています。
- 【四物湯のメンバー】:
- 当帰(トウキ)、川芎(センキュウ)、芍薬(シャクヤク)、地黄(ジオウ):血を補い、血行を改善します。
- 【黄連解毒湯のメンバー】:
- 黄連(オウレン)、黄芩(オウゴン)、黄柏(オウバク)、山梔子(サンシシ):強力な清熱解毒作用で、炎症や化膿を鎮めます。
- 【体表の邪気を発散させるグループ】:
- 荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)、薄荷(ハッカ)、白芷(ビャクシ):かゆみを抑え、鼻の通りを良くします。
- 【気の巡りを良くし、炎症を鎮めるグループ】:
- 柴胡(サイコ)、枳実(キジツ):気の巡りを良くし、炎症を和らげます。
- 【排膿・鎮咳去痰作用】:
- 桔梗(キキョウ):膿を排出しやすくします。
- 【諸薬を調和させる】:
- 甘草(カンゾウ):炎症を和らげ、諸薬を調和させます。