帰脾湯(きひとう)
対象製品と効能・効果
帰脾湯には複数の製品があります。この記事では、PMDA掲載の「ツムラ帰脾湯エキス顆粒(医療用)」の添付文書に基づいて説明します。製品ごとに効能・効果、成分量、注意事項が異なるため、他の製品についてはその製品の添付文書を確認してください。
この製品の効能・効果は「虚弱体質で血色の悪い人の次の諸症:貧血、不眠症」です。添付文書に記載のない精神不安や神経症、不安、物忘れ、集中力低下、不正出血、皮下出血などを、この製品の効能や「心脾両虚」の結果として説明することはできません。症状だけをもとに病気や漢方医学上の状態を自己診断したり、この処方を選んだりしないでください。
成分
ツムラの本製品は、1日量7.5g中に混合生薬の乾燥エキス4.5gを含みます。添付文書に記載された原料生薬は、オウギ3.0g、サンソウニン3.0g、ニンジン3.0g、ビャクジュツ3.0g、ブクリョウ3.0g、リュウガンニク3.0g、オンジ2.0g、タイソウ2.0g、トウキ2.0g、カンゾウ1.0g、ショウキョウ1.0g、モッコウ1.0gです。生薬ごとの作用を個別の症状改善に結びつける説明は、添付文書の効能・効果からは確認できません。
使用上の注意
添付文書では、症状・所見の改善が認められない場合は継続投与を避けること、カンゾウを含むため血清カリウム値・血圧値等に留意すること、他の漢方製剤と併用する場合は生薬の重複に注意することが示されています。カンゾウ含有製剤やグリチルリチン酸を含む薬との併用では、偽アルドステロン症が現れやすくなり、低カリウム血症によるミオパチーのリスクも高まるため、服用中の薬を処方医・薬剤師に伝えてください。食欲不振、悪心、嘔吐のある人は、これらの症状が悪化するおそれがあります。
妊娠中または妊娠の可能性がある場合は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に限り投与するとされています。授乳中は授乳の継続・中止を検討し、小児等については臨床試験が実施されていません。高齢者は減量するなど注意が必要とされています。該当する場合は処方医に相談してください。
副作用
重大な副作用として、頻度不明の偽アルドステロン症とミオパチーが記載されています。偽アルドステロン症では、低カリウム血症、血圧上昇、むくみ、体重増加などが現れることがあります。ミオパチーでは、脱力感、手足のけいれん・麻痺などが記載されています。発疹・じんましん、食欲不振、胃部不快感、悪心、腹痛、下痢等も副作用として記載されています。
添付文書では、これらの副作用に異常が認められた場合は投与を中止するなど適切な処置を行うよう示されています。服用中に気になる症状が現れた場合は、自己判断で続けず、処方医または薬剤師に連絡してください。湿疹・皮膚炎等が悪化することがある旨も記載されています。
参照情報
- PMDA「ツムラ帰脾湯エキス顆粒(医療用)」添付文書(2023年12月改訂)
確認日: 2026-09-25