頻尿・尿漏れ
漢方医学から見た頻尿・尿漏れ
漢方医学では、頻尿や尿漏れなどの排尿トラブルは、主に「腎」の機能低下と捉えられます。漢方における「腎」は、西洋医学の腎臓の働きだけでなく、生命エネルギーや水分代謝、生殖・成長・老化を司る重要な臓器です。加齢などにより腎の機能が衰えると(腎虚)、尿を溜めておく力(固摂作用)が弱まり、頻尿や夜間尿、尿漏れなどの症状が現れやすくなります。
腎虚には、体を温めるエネルギーが不足する「腎陽虚(じんようきょ)」と、体を潤す物質が不足する「腎陰虚(じんいんきょ)」のタイプがあります。また、体全体のエネルギー不足である「気虚」や、膀胱の炎症なども原因となります。
頻尿・尿漏れに用いられる主な漢方薬
体質や症状に合わせて、腎の機能を補い、水分代謝を整える漢方薬が用いられます。
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八味地黄丸(はちみじおうがん) 「腎陽」を補う代表的な処方で、加齢に伴う排尿トラブルに最もよく用いられます。特に、夜間頻尿、残尿感、腰痛、足腰の冷えやだるさを伴う場合に適しています。
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牛車腎気丸(ごしゃじんきがん) 八味地黄丸に、水分代謝を改善する牛膝(ごしつ)と車前子(しゃぜんし)を加えた処方です。八味地黄丸の症状に加え、むくみや足腰の痛みがより強い場合に用いられます。
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六味丸(ろくみがん) 「腎陰」を補う処方で、八味地黄丸から体を温める桂皮と附子を除いたものです。のぼせや手足のほてり、口の渇きなどを伴う頻尿に用いられます。
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補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 「気」を補い、内臓を持ち上げる作用(升提作用)があります。疲労倦怠感が強く、胃腸が弱い方の腹圧性尿失禁(くしゃみや重いものを持った時などに尿が漏れる)に用いられます。
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清心蓮子飲(せいしんれんしいん) 体力があまりなく、胃腸が弱く、精神的なストレスを感じやすい方の頻尿や残尿感に用いられます。膀胱や尿道の炎症を抑え、精神を安定させる作用があります。
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猪苓湯(ちょれいとう) 膀胱の炎症を抑え、利尿作用を促進します。排尿時痛や残尿感、血尿など、膀胱炎のような症状を伴う頻尿に用いられます。