更年期障害
漢方医学から見た更年期障害
漢方医学では、更年期は女性の体の大きな転換期と捉えます。加齢に伴い、生命エネルギーの源である「腎(じん)」の働きが衰え(腎虚)、女性ホルモンのバランスを司る「衝任脈(しょうにんみゃく)」が変調をきたすことで、「気・血・水」のバランスが乱れ、心身に様々な不調が現れると考えます。
- 気滞(きたい)・気逆(きぎゃく): 「気」の流れが滞ったり、逆流したりすることで、イライラ、憂うつ、不安感、のぼせ、ほてり(ホットフラッシュ)などが起こります。
- 瘀血(おけつ): 血行が悪くなり、骨盤内や全身の血流が滞ることで、肩こり、頭痛、のぼせ、冷え、月経異常などが起こります。
- 血虚(けっきょ)・陰虚(いんきょ): 体を栄養・滋潤する「血」や「陰」が不足することで、めまい、動悸、不眠、皮膚の乾燥、ほてりなどが起こります。
更年期障害に用いられる主な漢方薬
更年期障害の治療には、「婦人科三大処方」をはじめ、個々の症状や体質に合わせて多彩な漢方薬が用いられます。
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加味逍遙散(かみしょうようさん) 体力がなく、疲れやすい方の、イライラ、不安感、肩こり、のぼせなど、多岐にわたる精神・身体症状に用いられる代表的な処方です。
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桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 比較的体力があり、のぼせるのに足は冷える、肩こり、頭痛、下腹部痛など、「瘀血」の症状が目立つ場合に用いられます。
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当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 冷え性で貧血傾向、疲れやすく、めまいやむくみなどを伴う場合に用いられます。「血」を補い、血行を促進し、水分代謝を整えます。
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女神散(にょしんさん) のぼせやめまい、不安感、不眠など、精神的な症状が特に強い場合に用いられます。気分を落ち着かせる効果が期待できます。
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温経湯(うんけいとう) 手足のほてり、唇の乾燥、不正出血など、下半身の冷えと上半身の熱感、そして乾燥症状がみられる場合に用いられます。
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八味地黄丸(はちみじおうがん) 加齢による「腎虚」を補う処方で、疲れやすさ、腰痛、頻尿、足腰の冷えやだるさなどが気になる場合に用いられます。