腰・膝の冷え・痛み
漢方医学から見た腰・膝の痛み
漢方医学では、腰は「腎の府」と呼ばれ、生命エネルギーを蓄える「腎(じん)」と深い関わりがあるとされています。また、膝の健康も「腎」や、筋肉・関節を司る「肝(かん)」の状態に影響されます。加齢や慢性的な疲労によって「腎」の機能が衰える「腎虚(じんきょ)」になると、足腰が弱り、痛みやだるさ、冷えといった症状が現れやすくなります。
また、寒さ(寒邪)や湿気(湿邪)が体内に侵入し、気血の流れを滞らせること(瘀血)も、痛みの大きな原因となります。これを「不通則痛(通ぜざれば則ち痛む)」と言い、特に冷えや天候の悪化で痛みが強くなる場合は、これらの影響が考えられます。
腰・膝の冷え・痛みに用いられる主な漢方薬
治療では、体を温め、気血の流れを改善し、「腎」を補う漢方薬が中心となります。
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八味地黄丸(はちみじおうがん) 「腎」を補い、体を温める代表的な処方です。特に高齢者の方の、疲れやすく、腰や膝がだるくて痛み、夜間にトイレが近いといった症状に用いられます。
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牛車腎気丸(ごしゃじんきがん) 八味地黄丸に、血行促進と利水作用のある生薬を加えたものです。八味地黄丸が適する症状に加えて、腰痛、しびれ、むくみがより強い場合に用いられます。
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疎経活血湯(そけいかっけつとう) 血行を促進し、体内の湿気を取り除く作用があります。冷えや湿気で悪化する関節痛や神経痛、筋肉痛に広く用いられます。
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五積散(ごしゃくさん) 体を温め、気血の巡りを良くし、水分代謝を整える作用があります。腰痛や関節痛のほか、胃腸の冷えや月経痛など、冷えが原因の様々な症状に効果があります。
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当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう) 体を温める作用が非常に強く、手足の末端から腰にかけての強い冷えを伴う激しい痛みに用いられます。しもやけにも使われる処方です。