貧血
漢方医学から見た貧血
漢方医学では、貧血は主に「血(けつ)」が不足した状態である「血虚(けっきょ)」と捉えられます。血は全身に栄養を運び、精神活動を支える重要な要素です。血虚になると、顔色が悪い、めまい、立ちくらみ、動悸、疲れやすい、手足のしびれ、こむら返り、髪や皮膚の乾燥といった身体的な症状のほか、不安感や不眠などの精神的な症状も現れやすくなります。
また、胃腸の働きが弱り、食べ物から十分に血を生成できない「気虚(ききょ)」の状態が背景にあることも少なくありません。
貧血に用いられる主な漢方薬
血虚や気虚を改善し、貧血に伴う諸症状を和らげるために、以下のような漢方薬が用いられます。
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十全大補湯(じゅうぜんたいほとう) 気と血の両方を強力に補う代表的な処方です。手術後や病後、産後などで体力が著しく低下し、貧血症状がみられる場合に用いられます。
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当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 血を補い、血行を促進するとともに、体内の水分バランスを整える作用があります。貧血ぎみで冷え症、むくみやすい、めまい、立ちくらみなどがある方に適しています。特に婦人科系の疾患でよく用いられます。
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人参養栄湯(にんじんようえいとう) 十全大補湯と似ていますが、より精神を安定させる作用が強いのが特徴です。貧血症状に加え、食欲不振、疲労倦怠感、不眠、不安感などがある場合に用いられます。
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加味帰脾湯(かみきひとう) 胃腸の働きを助けて血を補い、精神を安定させる作用があります。貧血症状のほか、不眠や不安、物忘れなど、精神的な症状が強い場合に適しています。