甘草(カンゾウ)
生薬ラテン名
GLYCYRRHIZAE RADIX
基原
マメ科のウラルカンゾウまたはスペインカンゾウの根およびストロン(匍匐茎)
主要成分
- グリチルリチン酸
- リクイリチン
漢方処方の中での位置づけ
甘草は、多くの漢方処方に配合される生薬です。
ただし、甘草という生薬単体の説明と、甘草を含む完成した漢方製剤の「効能又は効果」は区別する必要があります。 医療用漢方製剤の承認効能は処方・製品ごとに定められています。単一生薬についての薬理・伝統的説明だけから、個人の症状に対する使用を自己判断するものではありません。
主な配合漢方薬
甘草を含む処方の例です。製品ごとに生薬の配合量、承認効能、用法、注意事項が異なります。
甘草含有製剤の重複に注意
PMDAの医療用漢方製剤の添付文書では、他の甘草含有製剤やグリチルリチン酸を含む製剤との併用によって、偽アルドステロン症や低カリウム血症に伴うミオパチーが起こりやすくなるとして、併用注意が記載される製品があります。
また、同じ「甘草を含む漢方薬」でも甘草の含有量は一律ではありません。自己判断で「この量・この期間までなら安全」という線を決めず、複数の漢方薬・生薬製剤・グリチルリチン酸含有薬を使っている場合は、製品名をまとめて医師・薬剤師に確認してください。
PMDA添付文書の例
- 甘草を含むため血清カリウム値や血圧値等に留意すること
- 他の漢方製剤等との生薬重複に注意すること
- 甘草含有製剤・グリチルリチン酸製剤との併用で偽アルドステロン症等が起こりやすくなること
- 低カリウム血症、血圧上昇、体液貯留、浮腫、体重増加、脱力感、四肢痙攣・麻痺等に関する注意
が記載されています。
これは一製品の添付文書の例であり、すべての甘草含有製剤の用法や注意事項が同じという意味ではありません。
服用中に気になる症状が出たら
甘草を含む薬の服用中に、むくみ、急な体重増加、血圧上昇、筋力低下、脱力感、筋肉の異常、四肢の痙攣・麻痺などが新たに出た場合は、自己判断で増量・長期継続せず、服用している製品名を伝えて医師・薬剤師へ早めに相談してください。
実際に中止・継続をどうするかは、製品添付文書と症状、治療目的を踏まえて判断する必要があります。強い脱力や麻痺など重い症状がある場合は速やかに医療機関へ相談してください。
高血圧、心疾患、腎疾患、妊娠・授乳、高齢者などに関する注意は、甘草だけで一律に決めるのではなく、使用する処方・製品の添付文書を確認してください。
参照情報
- PMDA 重篤副作用疾患別対応マニュアル: 偽アルドステロン症
- PMDA: JPS桃核承気湯エキス顆粒〔調剤用〕 添付文書
- PMDA: 医療用医薬品情報検索
(確認日: 2026-09-30)